みなさんは高徳というりんごの品種をご存知でしょうか。
最近は、知る人ぞ知る、幻の高級りんごとして人気が高まってきています。
高徳の特筆すべき最大の特徴は、圧倒的な蜜量です。
蜜が果肉の全体に行き渡っており、切る前から芳醇で高級感のある香りが漂っています。
そんな高徳ですが、購入できる場所は非常に限られており、とても高額で販売されています。
高徳食べてみたいけど、高い金額で購入して、好みの食味じゃなかったらどうしよう...
購入する前にどういう味なのか、知りたい...
こんな不安をお持ちの方向けに、実際に購入したりんごの実食レビューを行いましたので、是非ご購入前の参考になれば嬉しいです。
驚きの蜜量が入る高徳(こうとく)とは?
高徳というりんごは、青森県平川市の名誉市民である木村甚彌の畑で誕生したと言われています。
木村甚彌は、青森県農業試験場園芸部(青森県りんご試験場)に所属し、病害虫防除法、特にモニリア病の防除体系を確立した、青森県のりんご産業の発展に大きく貢献した方です。
彼が引退後に自宅の畑に植えた、東光というりんごの実生から発生したものを選抜、育成し、1985年に品種登録されたものが高徳になります。
当時は品質のバラツキが多く発生し、蜜の入り具合や、糖度が安定しなかったりと、一定の水準と安定性を重視する市場からは良い評価を得られませんでした。
その後、地元農家の努力と弘前市石川地域のJAの品質管理の徹底により、消費者から一定の評価が得られ、現在の地位を確立しました。
JAでは「こみつ」ブランドとして販売されている
高徳の品質向上と販路開拓に尽力した弘前市の石川地域のJAでは、「こみつ」というブランド名を商標登録し、高級りんごとして販売しています。
石川地域のJAでは「こみつの会」という高徳を栽培している生産者の部会があり、その部会の生産者が出荷した高徳の中から、糖度や蜜の入り具合、色づき、形の良さなどの独自の基準をクリアした高徳だけが、ブランド名「こみつ」の名称で流通することになります。
JAの「こみつの会」に所属する生産者は基本的には他の地方市場などへの出荷は禁止となっています。また、ネットなどで販売する際には、「こみつ」というブランド名は使用できない決まりとなっており、「こみつ」ブランドの品質を維持する体制が構築されています。
高徳(こうとく)の味の特徴は?
高徳の食味は栽培する生産者の中でも好評で、青森で最も栽培されているりんご「ふじ」よりもおいしいと評価する生産者が多いです。
今回はりんご農家の孫で、小さい頃からりんごを食べ続けている筆者が高徳の正直な感想をお伝えできればと思います。
まず切る前から、パイナップルを彷彿とさせる、トロピカルな匂いが漂います。
一般的なりんごの香りとは、異なる香りであることは間違いありません。
切ってみるとご覧のとおりで、果肉の半分以上に蜜が入っています。通常収穫直後であれば皮付近まで蜜が入っている個体がほとんどです。
(※今回切ったのは12月末ごろで、収穫時期は10月下旬から11月上旬ごろで、すでに一ヶ月以上が経過しているため、蜜がある程度果肉に吸収されているものと考えられます。)
味はとにかく、甘いです!!
酸味は全くといっていいほどなく、蜜入りならではの、濃い深みのある甘さが口いっぱいにひろがり、食べ終わったあともほんのりと香りと甘さが残ります。
硬さはというと、個体によりますが、サンふじやシナノゴールドのシャリとした硬さに近いものもあれば、王林やジョナゴールドなどの柔らかい食感のものもあります。
2023年産りんごは青森県内の夏場の高温の影響で、青森県のりんごが全体的に柔らかくなっています。特に蜜入りりんごは蜜が入らない品種のりんごと比べて特に柔らかくなりやすいという特徴があるため、多少の個体差が生じたものと考えられます。
りんごは収穫直後からだんだんと柔らかくなっていくため、今回筆者が食べた時期は、高徳のような蜜入りりんごの品質としてはギリギリの時期です。
(※実際に収穫直後に食べた時は硬い食感のものがほとんどでした。)
あくまで筆者の好みの問題になりますが、香り、食味どちらも抜群で、非常に美味です。
ただし、ふじなどのとても硬い品種と比較すると、そこまで硬い品種ではないので、
「硬くないりんごはダメ!!」という方にとっては物足りないと感じるかもしれません。ふじなどの硬い品種が大好きな筆者ですが、そこまで気にはならない硬さの程度でした。
他の消費者の評価は?
実際に高徳を食べた方がどのような評価をしているのか、楽天市場でコメントされている良い評価と、悪い評価を取り上げています。
○良い評価
ちょっと小さい感じでしたが、とっても甘く蜜もたくさん入ってて、今まで食べた事のないりんごでした!
またぜひ購入したいです。
昨日届きました。糖度も高く蜜の入りもハンパないです。
また購入します。
梱包をそのまま一時間ほど室内においておいたら部屋中に香しい匂いがたちこめ、開封したらさらに濃厚に広がりました。近所の人に3個ほど差し上げたら、朝起きたら部屋中がこのリンゴの良い香りに包まれて、すごいね、このリンゴ!と驚いていました。他の百貨店と通販で何度か買い求めましたが、この香りと酸味、密味のバランスは、これまでにないものでした。来年もリピートいたしますので、よろしくお願い申し上げます。
今年は暖かいから密入りが難しいと知人から言われていたので、どうかな?と思いながら注文させてもらいました。しっかり密入りで少しの酸味としっかり甘味、そして濃いりんごの味がして大満足です!久しぶりに美味しいりんごを食べられました。こんなのを探していたんです。また来年注文したいと思いました。楽しみにしてるので来年も美味しいの作ってくださいね。
昨年に続いて2回目の購入。14玉入。パキパキしゃりしゃりで、蜜たっぷりを期待して1年過ごしましたが、告知の通り、小ぶりで若干軟い感じはしますが、許容範囲です。蜜はほとんど入ってます。今年は、農産品全般いつもと様子が違う気がします。いつも同じ物が食べれることに改めて感謝ですね。
蜜入り、香りに驚かれている方が多いです。
硬さについても言及はありますが、許容範囲という声もありました。
○悪い評価
林檎は輪切りにして食べるのが一番美味しいと思っています。楽しみにしておりましたが 蜜はあるもののパキッとした食感がなくフカフカしたものが届き残念でした。
楽しみにしていたりんごがやっと届きました。小さいのが11玉。
これで3,800円(送料無料)!!?
思っていたほど蜜ははいっておらず、シャキシャキ感がないやわらかめの
それほどおいしくないりんごでした。
すごく楽しみにしてたのに!!蜜はないしもさもさー 残念すぎる、、
硬いりんごが好きなので期待していたのですが、残念ながら届いた物は柔らかめなものが多くハズレだったのかなあ?硬い物は美味しくいただきました。
蜜が入ってはいるけど、去年程の入りではないし、柔らかめのりんごです。今年は、猛暑すぎて出来が良くないのかなぁ?
硬さに関しての不満が多いようでした。蜜入りで柔らかくなりやすく、さらに猛暑の影響での果肉の軟化傾向がかなり影響しているようです。
やはりサンふじなどの硬さを期待している方にとっては不満が大きいように思います。
また、大きさについてはよくスーパーで販売されている36玉、40玉サイズのりんごと比較すると小さい玉であることが高徳の特徴になりますので、注意が必要です。
左が高徳、右がサンふじ
高徳(こうとく)購入の際のポイント
改めて高徳を検討するにあたっての注意点と、おさえていただきたいポイントをまとめます。
注意点①果肉はそこまで硬くない!
蜜入りりんごの特性上、硬い品種ほど果肉がサクサクとした食感にはならず、どちらかというシャリシャリとした食感となります。
また、収穫直後から徐々に柔らかくなっていきますので、硬めの食感を楽しみたい方は収穫直後の10月下旬から遅くても11月中に召し上がっていただくのがよろしいかと思います。
蜜も徐々に果肉に吸収されていきますので、早めにご注文することで蜜たっぷりの玉に出会える確率が高くなります。
ポイント:硬め、蜜多めを狙うなら収穫直後の10月下旬から11月頃を狙うべし!
注意点②玉は小さい!色づきもそこまでよくない!
高徳は品種の特性として、小さく、色づきがよくありません。また、「葉とらず」で栽培している生産者の高徳は特に色づきが悪いです。
「見た目や見栄えよりも味!」の品種ですので、贈答などでご利用される場合は送り先に事前に品種特性を伝えておくのがよろしいかと思います。
ポイント:味は見た目と無関係。葉とらず栽培の方が糖度が高い場合もあります。
注意点③高徳は品質が落ちやすい!
蜜が多い品種は、蜜が入らない品種と比べ、蜜褐変など腐るリスクが高いです。
特に高徳は果肉全体に行き渡っているため、品質が落ちやすく、スーパーや百貨店は棚持ちが悪い(長い期間保存できない)として取り扱いをしないケースが多いそうです。
できるだけ長くおいしく召し上がっていただくために、ストレスが比較的少ない、生産者から直送で取り寄せ、届いたらすぐに冷蔵庫の中に入れていただくのがおすすめです。
ポイント:温度変化とストレスを最小限に、生産者からお取り寄せ後、冷蔵で保存し、短期間で食べる。
まとめ
今回は幻の品種、高徳(こうとく)について解説しました。
とても美味しく、一食の価値ありの品種ですが、
品質が落ちやすく、美味しく食べるために今回解説したポイントを参考にしていただければ幸いです。
道の駅なえぎでは、収穫後冷蔵庫で適切に管理された高徳を生産者直送で販売しておりますので、是非お試しください!
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