2023年2月28日に日本穀物検定協会が発表した米の食味ランキングで、参考品種として「特A」評価を得た青森県の新しい米の品種、「はれわたり」。
2022年生産分は県内のみの販売ですが、2023年の秋には全国展開する予定です。
青森県在住の筆者は地元のスーパーで購入してきました。
育てやすい品種の開発
青森県のお米といえば、「まっしぐら」「つがるロマン」「晴天の霹靂」などがあります。
1997年にデビューしたつがるロマンは、青森県で家庭向けの米として広く作付けされてきましたが、近年は夏季の気温が高くなってきたことが主な原因で、米の胴割れが多発し、新しい品種の開発が求められていました。
こちらは青森県の資料から抜粋した表です。
胴割れとは右端の写真の様な状態で、急激な水分量の変化で米粒の内部に亀裂が発生してしまう現象です。
「はれわたり」は胴割れ発生率が極めて低く、高温化が進む青森の夏でも健全に育つことがわかります。
更に低温多湿で感染しやすい、いもち病に対しても抵抗性が強く、昨年の青森県の夏の長雨の中でも立派に美味しく育ち、評価を得ることができました。
米の食味ランキングで8年連続の「特A」評価だったブランド米「晴天の霹靂」と比べると、栽培・出荷基準が優しく、生産者にとっても育てやすいお米になりそうです。
はれわたりを実食してみました!
さっそく買ってきたお米を炊飯しました。
まずは筆者の好みの水を少なめで炊いてみました。
炊き上がりはツヤツヤで色白、一つ一つ粒が立ち、きらめきすら感じます。
ご飯の粒は小さめです。
歯ごたえはプリッとしていて、弾力があります。
ご飯を炊いた時の気になる匂いがほとんどなく、さっぱりとした味わいです。
2回目は少し水を多めに炊飯してみました。
炊き上がりの白さが増しました。ツヤツヤでやはり輝きがあります。
もちもちとした弾力があり、それでいて尚匂いが少なくさっぱりとした印象でした。
この水多めのご飯を今度は夜塩むすびにして、朝、冷えた状態で食べてみました。
時間が経っていてもやっぱり匂わない!
もちっとしていてかつ、べちゃっとしない、かなり筆者の理想に叶っているお米だと感じました。
おいしい!
筆者の印象では、お米よりもパンが好き、というような、お米離れしている人へ向けてもおすすめできるお米だなと感じました。
それもそのはず、はれわたりを形質調査した数字をみても粘りを抑える性質のある白米アミロース含有率が低く、パサパサ感の少ないお米であるといえます。
はれわたり、名前の由来
はれわたり、公式のサイトはこちら。
サイトのトップではパッケージに描かれている鳥たちが優雅に羽ばたいています。
新品種のお米の名前は令和3年にネーミング案を募集していました。その応募の中から「消費者だけでなく、生産者にとっても明るく晴れやかになるように」という意味をこめて「はれわたり」が選ばれました。
2023年シーズンの全国展開では、現在県内販売で使われている、青空に「シギ」が羽ばたいているパッケージのほか、「ウミネコ」「ハクチョウ」が羽ばたく2バージョンも用意があり、販売店が選べるようになるそうです。
青森を象徴するウミネコとハクチョウ。そして田んぼの田の字を名前にもつ鴫。
爽やかな空色にはばたく鳥たちのように日本全国に羽ばたくよう、パッケージもすっきりと晴れ渡るデザインになりました。
青森県をアピールするのにもピッタリのこのパッケージ、今秋からは全国でみられる様になると思いますので、店頭で見かけた時はぜひお試しください!
書いた人:吉田乾(よしたいぬい)